名大生の服装を見ていて、非常にもったいないなと思う。
ほとんどの学生が服装に興味を持っていないからである。
名大内にある同調圧力が服装に無関心な人を生成しているようである。
どこの大学にもありふれた問題だと思うが、名大に関しては、愛知県民の保守的な県民性がその同調圧力を助長している。
朝起きて、今日の服を考え、それを着て大学に行く。
このプロセスには、着ていく服を決定するために、自分の好きな色や形の組み合わせを考えるという重要なタスクが含まれている。
自分が何か好きかを考え、認識する。
これは同時に自分の嫌いなものを認識するということでもある。
得られた指針と照らし合わせながら服を選ぶ。
少し大袈裟だが、服を選んでいる時間は、自分を見つめ直す時間なのである。
このタスクを毎日積み重ね、自分の好き嫌いと向き合うことで、私たちは自分らしい服装を獲得することができると思う。
しかしながら服装に無関心な人はこのタスクを行わない。
それによって、彼らの服装におけるアイデンティティーは失われて、似たり寄ったりの服装に収束していく。
これは非常にもったいない。
名大生であるというだけで、潜在的に一般とはある程度異なる趣向を有していると思う。
それが表面化されず、「ダサい服装」とだけ揶揄されるのは非常に悔しい。
私自身名大での生活を通じて、多くの個性的な人に出会い、毎回それに驚かされた。
そんな人々の魅力が服装という面を通じてたくさんの人に知ってもらえたら嬉しいなと思うばかりである。
市川 大生 (いちかわたいせい)
名古屋大学情報学部4年。趣味は映画鑑賞とマンドリン。好きな言葉はポアソン分布。
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東山カルチャーコラムは、東山エリアについて、ゆかりのある方になにかしらの文章を書いていただいて掲載しているコーナーです。毎週金曜17時更新予定。2020年7月のテーマは「東山とファッション」です。