ふと気になった。名古屋大学の学生たちは、大学で学生生活を送る中で何を感じているのだろうか。さしたる印象がないので言葉にしたこともないかもしれない。
キーワードとして挙げるならば
広い・山・駅近・カフェ、スタバある・コンビニ・中華多い・それなりに賢い…
大学に1時間近くかけて通っている私の個人的見解からすると、都会の喧噪から外れた穏やかな文教地区で実りある学びを享受できる、という特権的環境を拝受出来ているbeforeコロナの大学生活には非常に満足していた。
感染防止対策もそこそこに、元通りの大学の姿へ戻るべく一部対面授業が行われようとする今、東山で学生生活を送るということに対して意味づけしてみたいと思う。
他大学の事例も踏まえ、多少客観的視点を加える。
・大学周辺の環境
その利便性たるやいかん。大学ほど近くに名古屋大学駅が存在する。授業の終わった実家暮らしの学生の多くは大学にとどまることなく帰宅するか、街中へアルバイトへ向かう。交通の便が良いばかりに大学周辺でたむろするという学生もあまり見かけない。
他の大学に目を向けてみるとどうか。
例えば京都大学。大学の最寄りはバス停だが、お察しのとおりバスの乗車率が半端でない。毎日(行くかは別として)をバスで通学するのはつらいだろう。徒歩15~20分ほどの古都の街並みを、チャリで通学する。名大よりは不便かもしれないが、その分街を知る機会にあふれている(はずだ)。
関西の私大を見ると、最寄駅から大学への通り道に、雀荘・居酒屋・ラーメン屋の立ち並ぶ、いわゆる「大学通り」が存在する。週末には泥酔した学生が死屍累々と散乱する「死体通り」と化すこともあるらしい。いいか悪いかは別として、学生にとっては退屈しない環境であろう。
一方弊大は、千種区という高級住宅地の立ち並ぶ場所に大学が位置しているせいか、「大学通り」が無い。目に留まるのは妙に多い中華料理屋か。(休日・祝日に大学を訪れた際、どこのカフェも空いていないために結局本山まで出なければならない「ご足労」はもうこりごりである)
私大の並ぶ八事駅までは徒歩で約30分。ふた山を越えなければならない重労働だ。名城線で2駅ではあるものの、鶴舞線に乗り換える学生以外はあえて降りるような場所でもない。
本山は東山線への接続駅として多くの人が乗り降りする。本山を降りてみると、けっこう飲食店があるな、という印象と裏腹に学生には少々高い子洒落た店が立ち並ぶ。(行くとしてもサイゼリア、ザ・ドン、ケンタッキーくらいだろうか)
東山公園方面となるとまた趣が変わり、動植物園を中心に低い建物が立ち並ぶ閑静な場所となる。
基本的に徒歩や自転車で移動しようとすると急な勾配に阻まれ、一苦労やむなし。学生がふらつくにはちときびしいか。
「道草食ってないでとっととおうちに帰ってお勉強しなさい」と言わんばかりである。
「学校」に通って「お勉強」する毎日を送るならばこれ以上ない環境といえるかもしれない。(阪大に通っていた親戚が、名大の交通利便性と校舎の美しさに感銘を受けていたことが記憶に新しい)
・大学群
名大生がこれを言うと鼻につくのかもしれないが、ここであえて述べる。関西、関東と比べ、明らかに大学の層が薄い。MARCHや関関同立といった私立大学群、名大を上回る国立大学の存在。我々を脅かす脅威たり得る大学が存在しないために、甘んじて東海圏のトップを受け入れてしまっている。(名大生がはたして実際に優秀なのかという問題は別として、受験勉強という小さな枠組みの中では実際そうなっている)
だからこそなのか、他大生からは「プライドが高い」という評価を受けることも。
関西出身の友人に名大の印象を聞いた。
「名古屋大学?知らんけど旧帝やし賢そう。知らんけど。」
名古屋大学のネームバリューに絶大な信頼をおいている学生(がいると仮定)からすると、にわかに信じがたいかもしれないが、”実際こんなもん”である。
「名古屋に住むメリットは東京・大阪どちらにも出やすいことだ」というジョークも言ったもので、実際に井の中の蛙大海を知ろうとする意識が大事かもしれない。
・結論
大学に求めるべきは校内環境の更なる拡充か。
歴史ある建物とは言えず、(東大京大一橋のように)キャンパス自体に趣を感じるというのはいささか無理があるが、学生にとって休息と安寧をもたらす環境になり得ると思う。
つい先日も全学教育棟の旧フォノンカフェ跡地に新しいカフェが出来た(「名古屋大学 regreg」で検索)。
小さな変化をも愛せる大学への関心を持ち、帰属意識の醸成・建設的な意見をもつことがその一歩になるはずだ。
また、閑静な大学周辺の地区においては、大学通りではなく、閑静な今の雰囲気こそ調和がとれているのかもしれない。安くて便利な飯屋が欲しいなら、名大生諸君が大学付近に定着することが重要だ。(大学への働きかけでどうにかなるのかはわからない)
進路については、大海を知り自分の実力を分かっていれば、それほど心配することはないのではなかろうか。
学業優秀、地元有名企業に就職し、キャリアアップを重ねれば、幸福度の高い安定した生活を送れるだろう。起業でもしてやろうかと思ったあなた、関西や関東とは明らかに競争率が低く、挑戦する人間への注目度は高い。関西・関東に飛び出てやろうという気骨あふれるあなた、大学のネームバリューに囚われない実力評価が待っている。
確たる自己をもって進路を決めたらば、おのずと道は開けるであろう。そう自らに言い聞かせながら…
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joe
名古屋大学情報学部2年。東山カルチャープレスにてインターン中。
Twitter:@Kamijo0203
東山カルチャーコラムは、東山エリアについて、ゆかりのある方になにかしらの文章を書いていただいて掲載しているコーナーです。毎週金曜17時更新予定。2020年9月のテーマは「名大周辺の環境」です。